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――朝。
紅い髪を乱しながらベッドに横たわる少年の横で、その責務を果たそうと目覚まし時計がけたたましい音で鳴っている。
少年はそんな目覚ましの頑張りを平手一発で粉砕した。
「うるせーっ……、お父さん疲れてんだよ。休みくらいゆっくり……えっ?遊園地?そんな約束したっけ?」
「……何を言ってるんだ君は?」
「……」
「おい、レクサス?」
「……グー……」
(あんなことを言ったなら起きそうなものだがな)
フィアリアは呆れて、ベッドに寝ている赤髪の少年を眺める。
「まぁ、昨日頑張ってくれたし寝かせてやろうかな。ホントは君のことが知りたかったんだが」
フィアリアは笑いながら、寝ているであろうレクサスに話かける。
窓から外を眺めると、暖かい日差しと、心地よい風がカーテンをなびかせながら入ってくる。
(相変わらずカワイイ寝顔だな。よし……)
フィアリアはレクサスのほっぺで遊び始めた。
(はぅ、癒されるぅ)
フィアリアはうっとりしながら遊んでいたが、そこにいきなり扉が開き誰かが入ってきた。
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