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翌日、午前9時。
僕と美咲はたった2人だけで犯人の元へ向かった。
犯人があの人達の中にいるなら決して僕達に危害を加えるような人ではない。そう思ったからだ。
そして今僕の目の前に犯人、いやっ正確には犯人だと思われる人物がいる。
「何の用ですか?」
その人物は不思議そうな顔をしている。
「自首して下さい!」
ピクッ…
その人物は一瞬動揺したように見えた。
「…僕は警察ではありません。あなたを裁く権利などありません。そしてこれから僕の言うことに納得いかなければ反論してくれても構いません」
「………」
その人物は何も言わない。
「単刀直入に言います。あなたは伊藤大志さんを殺してしまいましたね?」
「待って下さい…あの状況では警察は自殺も他殺も不可能だと言いましたよね」
「ええ。でももしあの部屋が密室でなければあなたにも犯行が十分可能ですよ」
「守…本当にこの人が?」
「あぁ。そうだよ」
そして僕はその人物の名を呼んだ。
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