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コンコンとノックをして友だちを
先頭に部屋へと入る。
「お邪魔しま~す」
「中の下だな」
入って間もなく声がした。
壁に寄りかかって立っている長身の男の子。
「相変わらず手厳しいね?」
机に座った状態でクスクスと笑っている男の子。
「でも後ろの子は…上玉?」
ピョンッと今にも飛びつく勢いで
私の方を見る。
犬っぽい……男の子。
男の子ばっかり!!?
「みんな失礼でしょ…。話ならそんなとこじゃなくて中に入れば?」
あ…やっと女の子。
しかも可愛い。
髪が短いのにも関わらず
可愛らしい雰囲気が出てる。
「入れんの?」
「せっかく今盛り上がってたのに」
「俺お喋りした~い!!!」
三者三様。
1人1人が好き勝手に話し出す。
「どうすんの?」
「もちろんお言葉に甘えます!!!」
ちょっとは空気読もうか?
まぁ…マイペースがこの子のいいとこなんだけどさ。
席に着くと舐めまわすように
体にまとわりつく視線。
…………気持ち悪い。
「名前は?」
「私は…奈美っていいます!で、こっちの美人が秋羅!!!」
「ふ~ん…奈美ちゃんと秋羅ちゃん」
目の前の女の子が呟く。
形のキレイな唇が一瞬歪んだ気がした。
「俺秋羅ちゃんタイプ~!!!」
犬っぽい人がこれでもかってくらいの笑顔を向けてくる。
この人に欲とかあるのかな?
この人なら……
いつもと同じ考えが巡る。
「……だめだよ」
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