Episode:1

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  女の子の言葉にびっくりして 顔を上げると   「いつも言ってるじゃん。郁!!!」   私に言ったんじゃないんだ。   でも、その言葉で 間違いを侵さなくてすんだかも。   また適当に付き合うとこだった…。 それより…   「郁っていうんだ」   「ん?俺郁だけど?」   不思議そうに私を見る、郁…くん。   「あ…えと、名前……聞いてなかったから」   「えっ!!?俺らのこと知らないの!!?」   机に座っていた子が驚きながら近づいて来る。 知らないよ…全く。   「君…おもしいね?」   さっきの格付け男も近寄って来た。 何でこんなに接近戦なわけ? もっと離れてよ~…!!!   少し期待を込めて奈美に助けてとアイコンタクト。   気づいてくれた!!!   と思いきや… 親指と人差し指で丸を作って   すごくお似合い♪     そんなこと聞いてません。   「はいはい…そこまでっ!!!」   私と男たちの間に勇ましく立つ女の子。 少なくとも今は誰よりも頼もしく見えた。   「何だよ~…姫も一緒に話す?」   「話さない。まずは礼儀!!!自己紹介からやんなさい!!!」   「へ~い…郁でっす!!!普通に郁って呼んでね?」   ツンツンの髪にバンダナを着けているのが郁。 名前覚えるの苦手なんだよね。 やっぱり犬=郁で覚えよう。   「俺は睦月。郁うるさいでしょ?ごめんね」   前髪をヘアピンで上げてるのが睦月。 1月生まれかな? ちょっと大人っぽい人だなぁ。   「瑛泰」   ニット帽を被ってメガネをかけてる。 格付け君の名前はえいだいって言うんだ…。なんか…できる人!て感じ。   「千秋です。よろしくね?」   最後に惚れ惚れする笑顔。   「よろしく…千秋ちゃん!」   私の発言にみんなの目が点になった。
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