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女の子の言葉にびっくりして
顔を上げると
「いつも言ってるじゃん。郁!!!」
私に言ったんじゃないんだ。
でも、その言葉で
間違いを侵さなくてすんだかも。
また適当に付き合うとこだった…。
それより…
「郁っていうんだ」
「ん?俺郁だけど?」
不思議そうに私を見る、郁…くん。
「あ…えと、名前……聞いてなかったから」
「えっ!!?俺らのこと知らないの!!?」
机に座っていた子が驚きながら近づいて来る。
知らないよ…全く。
「君…おもしいね?」
さっきの格付け男も近寄って来た。
何でこんなに接近戦なわけ?
もっと離れてよ~…!!!
少し期待を込めて奈美に助けてとアイコンタクト。
気づいてくれた!!!
と思いきや…
親指と人差し指で丸を作って
すごくお似合い♪
そんなこと聞いてません。
「はいはい…そこまでっ!!!」
私と男たちの間に勇ましく立つ女の子。
少なくとも今は誰よりも頼もしく見えた。
「何だよ~…姫も一緒に話す?」
「話さない。まずは礼儀!!!自己紹介からやんなさい!!!」
「へ~い…郁でっす!!!普通に郁って呼んでね?」
ツンツンの髪にバンダナを着けているのが郁。
名前覚えるの苦手なんだよね。
やっぱり犬=郁で覚えよう。
「俺は睦月。郁うるさいでしょ?ごめんね」
前髪をヘアピンで上げてるのが睦月。
1月生まれかな?
ちょっと大人っぽい人だなぁ。
「瑛泰」
ニット帽を被ってメガネをかけてる。
格付け君の名前はえいだいって言うんだ…。なんか…できる人!て感じ。
「千秋です。よろしくね?」
最後に惚れ惚れする笑顔。
「よろしく…千秋ちゃん!」
私の発言にみんなの目が点になった。
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