第二話 ~制圧~

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炎が一気にヒスイに襲い掛かるが、ヒスイは構え、詠唱を始めた。 「水の精霊 ウンディーネよ…。その力で我が主に襲い掛かる炎を消し飛ばせ」 詠唱を唱えおわると、ヒスイの周りに水が現れ、炎を蒸発させた。 そこに、ルダの後ろから声がした。 「ヒスイ!」 「ドゥーエ!? なんで此処に!?」 声の正体はドゥーエだった。ドゥーエの手には刀が握られている。 「ドゥーエ…か…。お初にお目にかかります。私、ルダ・フゥールと申します」 ルダが、ドゥーエに言うと、ドゥーエが叫んだ。 「なんでもいい! そこを退け!!!!」 「それは出来ませんね。…そうだ。あなただけでも、殺しときますか」 手をドゥーエの前に出すと、ヒスイは、手を天に挙げた。 「そんなことさせない!」 「出来ますか? あなたに…召喚魔法が…」 「私はこの国で唯一の召喚使なんだ!! 失敗なんかしない!!」 ヒスイがそう叫ぶと、魔法陣が輝きながら、地面に現れた。 「召喚魔法…!」 ドゥーエが目を見開いてヒスイを見る反面、ルダは、怪しく笑う。 「闇の精霊 ウェルドよ…。その暗黒の力で、敵を深き闇に葬れ」 「火の召喚獣 紅蓮よ!! その最強の力を誇るその魔力で灼熱の地獄に陥れろ!!!」 両者に激しい魔力がぶつかり合った。 ヒスイの方は、ライオンの姿のような炎を身に纏った獣が唸っている。 ルダの方は後ろに、黒い闇があり、闇のツタが今にも動きだしそうだ。
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