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盗賊はそれを見て、驚愕した。
なんでかと言うと、来たはずのドアが黒い渦をまき、異空間の入り口になっていたからだ。
「なんだと…!?」
そんなふうに驚いてる間もなく、渦が一気に封印の間を覆いつくした。
「たっ…たすけ…!」
盗賊の言葉は、深い闇へとかき消された…。
「おっ…おい! なんだあの黒いのは!!」
「知らねえ! 早く城全体に警報を…!」
城に待機していた魔兵士
たちが全体に警報を送ろうとするが、時すでに遅く、なにも抵抗出来ないまま、飲み込まれる。
「リュードリアス王妃!!早くお逃げになってください!」
王妃…つまりヒスイの母親だ。
しかし、リュードリアスは厳しい顔つきで魔騎士に言った。
「それはなりません!! それでは先程忍び込んだ盗賊の首領の思うツボです!」
「しかし!」
「待て! 確かに封印の間にある宝玉は割られたが、三刻もすれば収まる!」
間に入ってきたのは、王様のリドルフウェスラであった。
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