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しかし、魔騎士も引かずと言い返した。
「ですが! その三刻はこの城全てのみこんだ時です!!」
「あなたの気持ちはわかります………。なれど、今ここを出る訳にはいかないのです…」
リュードリアスが思い詰めた顔で、魔騎士に言うと、リドルフウェスラは勇気付けるように笑う。
「ハッハッハ! 大丈夫だ…。きっと俺たちは助かる」
それが合図かのように、渦は三人をのみこんでしまった。
その時、リュードリアスとリドルフウェスラは同じ事を思っただろう。
安心しろ…。俺たちは大丈夫だから心配するな。………ヒスイ……頑張って生きていくんだ…。
そのまま、やがて、黒い渦は城全体をのみこんでしまった。
ヒスイがこのことを知るまで…あと一分。
タイムリミットはもうすぐそこにある………。
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