第一話 ~魔法王国~

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しかし、魔騎士も引かずと言い返した。 「ですが! その三刻はこの城全てのみこんだ時です!!」 「あなたの気持ちはわかります………。なれど、今ここを出る訳にはいかないのです…」 リュードリアスが思い詰めた顔で、魔騎士に言うと、リドルフウェスラは勇気付けるように笑う。 「ハッハッハ! 大丈夫だ…。きっと俺たちは助かる」 それが合図かのように、渦は三人をのみこんでしまった。 その時、リュードリアスとリドルフウェスラは同じ事を思っただろう。 安心しろ…。俺たちは大丈夫だから心配するな。………ヒスイ……頑張って生きていくんだ…。 そのまま、やがて、黒い渦は城全体をのみこんでしまった。 ヒスイがこのことを知るまで…あと一分。 タイムリミットはもうすぐそこにある………。
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