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「アンタのそういう心配、わからなくはないけど…。でも、昨日始まったばかりじゃない。もう少し、気楽に構えてみたら?」
サチはそう言うけど…。
やっぱり不安。
普通、付き合うときってもっとウキウキしてるものだよね…。
「もー!!初彼氏ができたっていうのに、なんつー顔してるのよ!」
サチは私の肩をポンと叩く。
私は、ぎこちなく笑い返すしかなかった。
サチの言ってることはもっともだと思う。
私だって理屈はわかる。
だけど…
航多にも、サチにも言えないことが、私にはある。
私がこんなに後ろ向きになってしまう理由…。
だけど、話してどうなることでもない。
話したところで、何が変わるというわけでもない。
私の傷が開くだけ…。
私が惨めになるだけ…。
口になんて、できない。
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