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この日、学校はちょっとした噂で大騒ぎだった。
事の起こりは昼休み。
私はサチと教室でお弁当を食べていた。
すると、クラスの子が教室に駆け込んできた。
「大ニュース!!相馬くん、彼女ができたらしいよ!!」
私は、思わず食べかけの卵焼きを落とした。
目の前のサチはニヤニヤしてる。
『え~、ショック~』
『ずっと告白断ってたのにねー』
口々にクラスの子たちが言葉を発する。
情報を持ってきた子によると、
一年生が航多に告白したところ、「彼女がいるから」と断られたらしい。
『え~、最近できたのかなぁ?』
『っていうか、彼女って誰?』
同学年の子の名前が何人かあがる。
どの名前も、可愛いと人気のある子。
「いやー、彼女ができたってだけですごい騒がれようだね」
サチは完全に面白がっている。
「サチ~…相手が私じゃ、誰も納得しないよ~」
サチは、突然きょとんとした顔で私を見る。
そして、ふぅと息を吐くとお弁当の続きを食べ始めた。
「え?サチー…??」
「相馬も大変だなぁ…」
サチの言う意味がよくわからなくてオロオロとしてしまったけど、サチはそれ以上何も言ってくれなかったから、私もお弁当を食べ続けるしかなかった。
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