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『今から部活。教室で待ってて。一緒に帰ろう』
航多からメールが来ていた。
今までだって、同じようなやりとりはあったのに、妙にくすぐったい。
『わかった。部活、がんばって』
そうメールを返すと、私は自分の席に座った。
私の席は窓際。
窓からは、部活中の校庭が見える。
なんとなく、ぼんやりと見つめていた。
校庭ではいくつかの部が活動をしているのに、私の目は自然と航多を探してしまう。
航多は同じ2年の男子と組んで、準備体操をしていた。
無邪気に笑う笑顔。
「…好き…」
聞こえるわけない。
だから、言える。
私は腕に顔をうずめた。
その時、航多がこっちを向いた。
「!!」
私を見て小さく手を振る。
恥ずかしくて思わず、隠れてしまった。
心臓がバクバクしてる。
「好き」なんて呟いたからかな。
こっち向くタイミング良すぎだよ…。
私…
なんか、意識しすぎ…?
今まで、ただ想うだけだった幼なじみ。
学校1人気のある幼なじみ。
その人が、私の彼氏だなんてどう接したらいいのかわからない。
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