自信

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それは突然やってきた。 「葉山~、1年の子が用があるから中庭に来てほしいって…」 ある日の休み時間、クラスの子が私を呼びに来た。 1年生が私に? 誰が何の用? ひとまず、行ってみるか。 中庭に着くと、女の子が一人待っていた。 私が着いたのを見て、軽く会釈する。 すごい美少女…。 顔はちっちゃいし、目も大きい。 サラサラの髪に細い手足…。 こんな美少女が私に何の用…? その時、思い出した。 「サッカー部のマネージャー…さん?」 航多と付き合うことになって初めて一緒に帰った日、航多を誘いに来た2人組の一人だ。 「篠崎桂(しのざきかつら)です。初めまして」 淡々とした口調。 好意的な呼び出しじゃないと感じた。 「あ、初めまして…。葉山美郷です」 「知ってます」 う…。 「長く話してもしょうがないんで、単刀直入に言います」 「はい?」 「私、航多センパイが好きです。大好きです。だから、あなたが彼女だとしても諦めません」 はい…? 「航多センパイを奪ってみせますから!」 美少女からの宣戦布告だった。
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