自信

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「私、航多センパイとあなたがキスしているのを見ました。航多センパイの彼女ってあなたですよね」 彼女は大きな瞳を、すっと見据える。 「入学する前からずっと航多センパイが好きでした。入学してサッカー部のマネージャーなってイイ感じだと思ってたのに…彼女ができたって聞いてショックでした」 彼女の気迫に押されて何も言えない。 「仕方ないなって諦めようと思ったけど…あなたが彼女じゃ納得できないんです!」 『納得できない』 一瞬、頭が真っ白になって音が途切れる。 ドクンドクンという心臓の音だけがやけに響く。 「綺麗なわけでも、スタイルが良いわけでもないあなたがなんで彼女になれるんですか?私の方がセンパイには釣り合うと思います」 そんなの…私が聞きたい。 「とにかく、私、諦めませんから。どんな手段を使ってもセンパイを振り向かせます。覚悟しといてくださいね」 彼女は、そう言って立ち去った。 一人中庭に残され、私は茫然と立ち尽くしていた。 納得できない、と言った言葉が頭から離れない。  あれは、彼女だけじゃなくて航多のことを好きな子たちの気持ちだ。 やっぱり…私が彼女じゃ誰も納得できないんだ…。 あんなに綺麗な子が航多を好きなんて、航多だって嬉しいよね。 あの子の言うとおり、私よりあの子の方がお似合いだよ…。
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