突然の告白

7/8
前へ
/105ページ
次へ
航多は私の耳元で囁く。 航多の低くて柔らかな声が、吐息に交じって私の耳を刺激する。 体がかぁっと熱くなる。 今の顔…見られたくない。 見ないで…。 「航多…やだ。どいてよっ」 私は、航多の肩を押し退けた。 そのせいで、航多と適度な距離ができ、まともに目が合う。 「………」 航多は黙っている。 私は、航多の目の中に映る自分を見つけると、思わず目を逸らした。 「…『うん』って言わねぇと、このままキスするぞ」 「はぁ!?なんで、そうなんのよ?」 航多は真面目な顔して、すごいことを言い出した。 イエスだと、付き合う。 イエスって言わないとキス。 つまり、ノーだとキス? 私に、選択権ないじゃんか…。 「ちょっ…それ、私不利…」 と、言ってる間にも航多の顔はどんどん近づいてくる。 ひぃーっ!! いや、私だって航多のこと好きなんだけど、でもっ、決心が! っていうか、キス?! キッ…キスなんか無理―――!! 「わ…わかった!付き合うから、キスは無理!」 「ぶっ!!」 私は言うと同時に航多の口を両手で塞いだ。 私は半分涙目だったと思う。 航多は、そんな私を見てニッコリ笑うと、 私のおでこに軽くキスをした。
/105ページ

最初のコメントを投稿しよう!

267人が本棚に入れています
本棚に追加