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「ご…ごめん。大丈夫?」
唯は、泣いたままうずくまって起き上がってこない。
そこまでするつもりは無かったが、本気で心配も、反省もしていなかった。
葵は、小柄で華奢で、パッと見、少年に見える。
性格も、言葉使いも男の子っぽかった。
各運動部から、顧問が土下座するくらい、助っ人を頼まれるスポーツ万能の葵。
周りから、キャラ固定の目で見られ、ますます男っぽく振る舞っていた。
唯は、中学生になって、その成長が凄かった。
女王蜂のように、何か特別のエサをもらってるのか?と思うくらいだ。
道を歩くと、世の男どもが、必ずチラ見をする。
学校でも、もちろんそうだ。
唯は、それが凄く嫌だと言う。
なら、何でそんなに、一層アップするようなブラつけてくんのさ。
そんな思いで、葵は毎回、ブラを弾いて、痛い目に会わしてやった。
葵だって、好きな人がいる。
恋する15才、乙女なのだ。
でも、もし誰かにそれが知れたら…
笑いのネタにされるだけだ。
ブラなんて要らないよね~って、母親にすらからかわれた。
何度泣きながら、寝たか…
日記には、ピンクのペンで、可愛い文字を並べている。
誰にも見られないから。
文章も、甘えた言葉で。
「子うさぎ あおぴょんの彼氏はぁ~今日も、優しかったよ~♪」
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