『更衣室』

13/16
前へ
/43ページ
次へ
折れた片腕を机に乗せると、手首をサックリ切り開いた。 白い肉の壁の寸断された血管から、見るまに、血が滲みドクドクと溢れ出した。 「葵も…」 唯に促されて、ゆるゆるとカッターを手に取り、同じようにパックリした裂目を作った。 その傷口を重ね合わせ、体操服でグルグルと縛った。 布を越して、血が流れ落ちる。 「もうすぐだから。」 意識が遠のく中、葵は正面に自分を見た。 唯の前にも、唯が居る。 「ぁっ…」 手を伸ばして、顔に触れた。 「アタシ…」 二人は笑った。 「やったね。」 「こんにちは、アタシ(笑)」
/43ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加