1人が本棚に入れています
本棚に追加
「その分…とても良い事が起こることを、あたしは知ってるから。
だから、大丈夫だよ。
あたしも…日向も、今は見えない希望をいつかは掴める…。」
「ナナ、私は貴女に最後まで付き合います。
…だけど、貴女には必ずペナルティが待っています。
しかも、前とは比べものにならないでしょう。
…いいんですね、ナナ?」
「うん、あたしはそれでも奇跡を起こすよ。
それが…あたしが見つけた仕事だから。
誰に言われても、これだけは譲れない。」
もう、ナナの瞳に悲しみは点っていない。
代わりに、強く輝く希望が見えた気がした。
フランはナナに頷くと、励ます様に微笑んだ。
ナナもホッとした表情を返し、夜空に軽く鎌を振るうと、泡の様に消えた。
ナナとフランが消え、今度こそ誰も居なくなった部室は、不気味なほどに静まり返っていた。
これから起こる様々な事に振り回され、あがくことを運命づけられた人々を嘲笑うように。
最初のコメントを投稿しよう!