桜と金色と

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「……まぁイチャイチャするのも良いけど、人前ではほどほどにしておけよ」 「はぁ!?」 違うのか?と無表情で問い掛けてくる善。  大間違いだよバカ野郎。分かってるくせに、タチ悪い奴だ。 ―― さて、そんなこんなで入学式が始まった。  中学から高校になって何か変わるのかなー、なんて思っていたが、なんて事はなく普通に始まり、特に変わったところも無く進められていく。一つ言えば、学園長が若くて美人な女の人、って事くらいか。珍しい。 ちなみに後ろには親が来たりしてるけど、うちの親は大阪に住んでいる。っていうと変に聞こえるが、要するに俺が東京の高校に行きたいって言ってほぼ無理矢理受けさせてもらっただけだ。だから当然、親は来てない。 ちなみに善も、俺と同じだ。  まぁ、あいつは東京でバスケがしたい、その理由だけだったと思うけれど。 学園長の挨拶(眠たい)、新入生の(主席か誰か知らないが)答辞、そして新入生の名前読み上げみたいなの。変わったところも無く、続けられていくそれら。 だが、春野の名前が読み上げられた時、隣のクラスの男子生徒二人が何やらこそこそと話しているのが聞こえてきた。 「おい、春野って確か……」 「うちで噂になってた奴だよな……?」 何だ?あいつ有名人なのか?
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