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「眠……」
四月、桜が咲き誇る季節。
薄紅色の花びらが舞い散る道を、さぞ眠そうに眼を細め、気だるそうに歩く一人の少年がいた。
高校一年にしては少し高めの身長、それなりに整った顔立ち。
だが、そんな程度なら探せばどこにでもいる。注目すべきなのは――その銀髪だった。
染色剤のそれとは思えない、自然な煌きが日光を受けて白銀に光っている。
そんな彼はくしゃ、と髪を触りつつ、小さく息を吐く。
名前、成宮 銀。十五歳、今年から高一。
髪の色とか名前とか、色々変だってのは自分でも分かってる。
まぁ母親が少し、いや大分変わった人だから、その辺は仕方ない。
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