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香ばしい匂いを発するバタートーストを口に含み、何となくアールグレイの紅茶で体を温める。
別に貴族の気分に浸りたい訳でもないし、これが俺の朝食スタイルなのだ。
「……はぁ。今日は体育があるんだったけ。トーストもう一枚食べとこ」
色素の問題かは知らないが、遺伝であることは変わりない薄い藍色のような髪。
校則に引っかかるわけでもないのでほったらかしにしているが。
白いソファから立ち、半螺旋の階段近くにある台所に向かう。
洋風。この家の特徴を一言で言うならまさにそれだ。
床は全部フローリング。
二階建てだが、屋根裏を入れれば三階だ。
二階に上がる階段は手すりのついた螺旋階段。
階段に壁は無いのでスッキリとした感じ。
台所から焼き終わったトーストをとり、バターを塗る。
行儀が悪いが、俺はそれを歩きながら口にした。
リビングは階段を下りてすぐ。
白い毛の円形絨毯が敷いてあり、絨毯の上には白いソファと、モダンアートというのか、花の紋様を直接彫った白いテーブルがある。
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