序章 遠く呼ぶ声

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『こんな夜遅くに、姉様、本当に行くの?』 『仕方がないわ…。龍神の許しが顕れなかったのですもの。』 『でも……。』 『母様も許してはくださらなかった…仕方のないことなのよ。』 そう言って姉様は優しく私の手を握った。 『幼いあなたを残していくことだけが気がかりだけれど…。 きっと、この弓が導いてくれる。』 私は託された弓をぎゅっと強く抱いた。 『私が戻るまで、母様をお願いね。』 姉様が出て行った後も、私はその場でずっと立ち尽くしていた。
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