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「うわぁあぁああ!鬼だ!大江山の鬼共だぁあああ!!」
「に、荷を、荷を守れっ!!」
誰もが寝静まった深い夜の京に、叫び声が響いた。
恐怖と絶望に染まった叫び声でなんとか勇気を振り絞ろうとするが、そんなちっぽけな勇気では鬼達にはかなう訳がなかった。
次々に倒れゆく仲間を目の当たりにするだけで、かき集めた勇気等、一瞬で吹き飛ばされてしまう。
恐怖に足が竦む。
「だーいじょーぶかー?」
場にそぐわぬ、気の抜けた声が問いかけてきた。
た、助けが来た!
やっとだ。
やっと助けが来た。
この声は自分に向かって気を使った。
つまり、自分を心配したという事だ。
この場に自分を心配する者など、味方以外考えられない。
という事は、この声の主は助けなのだ!
そう安心しきって、彼は振り返った。
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