第壱夜

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そう確信したと同時に、何故か怒りがこみ上げてきた。 何故自分が、荷を盗み、多くの人々を殺し苦しめる、卑しい存在に震えなければならないのか? 鬼達に襲われたという理由だけで殺されなければならないのか? 理不尽な仕打ちに怒りがこみ上がった。 そうだ。 殺される理由など何一つない。 自分が殺される理由など何一つないのだ! ついに鬼は言葉を発しようとする。 殺られる! 「うぁあぁああああ!!」 そう確信したのと同時に刀を振り上げていた。
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