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高校野球○□県決勝~石ノ森スタジアム~
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決勝が行われる石ノ森スタジアムには、超満員の観客が詰め掛けた。
決勝戦に勝ち進んだ立花高校と平成学院両校の応援団も、スタジアムに到着しグラウンドで試合前の練習を行う選手に声援を送っていた
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一塁側の立花高校のベンチ内では、平成学院の練習を観ている。
立花高校野球部主将のエースで4番を勤める本郷 猛は、副主将でありバッテリーを組む一文字 隼人と、平成学院の分析を始めていた。
本郷『一文字、あのセカンドは?』
一文字『あぁ、あの守備でもレギュラーのようだな。』
二人の視線の先には、打球をトンネルしたり、額に打球を当てたりする選手が守っている。
???『彼は、野上 良太郎ですよ!本郷キャブテン!』
本郷達の会話に入ってきたのは、後輩の風見 志郎。
本郷『野上?!』
一文字『奴が、準決勝の勝吉学園戦でサヨナラホームランを打った男なのか?!』
風見『そうです。彼ですよ。サヨナラホームランだけでなく、死球喰らって乱闘騒ぎまで起こした事ありますからね。』
本郷『そうは見えんが・・・。』
風見『試合が始まると、一種の自己催眠みたいので人格が変わるという噂もあります。』
一文字『人格が変わる?!信じられん!』
風見『まぁ、試合になったら要注意人物なのは確かです。』
三人が、再びグラウンドに視線を移すと野上は担架で運ばれていた。
本郷『要注意人物ねぇ・・・。』
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次に一文字は、平成学院のベンチ前を見る。
敵の先発投手の投球練習を観察する為・・・だったが。
一文字『おい!本郷!平成のピッチャーは、全く投球練習してないぞ!』
本郷『一文字知らないのか?平成のエースは、試合前には投球練習せずに、ベンチ裏で料理するらしい。』
一文字『料理だと?!俺達をナメてるのか?!』
風見『一文字さん、その話を聞いて苛々してる奴が、あそこに居ますよ。』
風見が視線を送る先には、今にも相手ベンチへ殴り込もうという勢いの血気盛んな選手が居た。
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