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「もしもしっ!すみません、寝てました?」
『ん?………ガタッ、ガタガタっ』
「?………優さん?」
『あっ、ごめん。で、突然、どうしたの?』
「あのぉ~、すばるさんが私の部屋に来て、今、寝てるんです」
『………』
優からの返答がない
どうしていいのかわからない沙羅は待った
どのくらい時間が過ぎたのだろう?
1分、いや10分?沙羅には長い長い沈黙に思えた
『あぁ。ごめん。すばるから鍵、返してもらうの忘れてた』
「えっ!?」
『時々、あの部屋、貸してたんだ』
「なんで、そんな重要なこと言ってくれなかったんですか?」
『今も寝てるの?』
「お酒、かなり飲んでるみたいで…爆睡してます」
『ははは、そっか。悪いけど、今日はお店で休んでもらえるかな?すばるには俺から連絡しておくし』
「はい、わかりました」
『悪いね。悪いついでに、すばるの近くに水だけ置いといてくれないかな?』
「わかりました」
『明日、詳しく話すよ』
「はい。すみませんでした、お休み中に起こしちゃって」
『いや、こちらこそごめんね。じゃぁ、おやすみ』
おやすみなさい、と電話は切れる
沙羅は言われたとおりに店に下りて、水を持ってまた部屋に戻り、床で寝ているすばるの横にそれを置いた
閉じられた目が開いているときに会いたかったな、と思った
まつげ、長いなぁ~。肩も華奢だし…
しばらくすばるを観察していた沙羅だったが、飽きたのか、布団を体にかけて、床で寝るには頭が痛そうなので枕を入れてあげた
「おやすみなさい」
沙羅はそういい残して部屋を後にした
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