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昨日の経緯をすばるに代わって優が話し始めた
近くで『安田くん』と飲んでいて、家に帰るのが面倒くさくて、あの沙羅の部屋に行ったのだと
「あっ、僕、買出しに行かなきゃ」
「えっ、それなら私が…」
「いいから、いいから。すばる君も今日はゆっくり出来るの?」
すばるは小さくうなずいた
「じゃぁ、二人でお留守番、よろしくぅ~~」
ひらひらを手を振って、優は無情にも初対面の二人を残して店を出て行ってしまった
ふたりはカウンターに二人分の席を空けて座った
沈黙が続く
沙羅は耐えかねて、音楽を流した
なんとなく、空気が緩む
「あっ、あの、頭、こぶとか出来てないですか?」
すばるは自分の後頭部をさすってみた
「ちょっと………」
返事をくれたことが嬉しくて、沙羅はどんどん話しかけた
「昨日、すばるさん、ベッドから落ちて、頭、ゴンッて言ってましたよ。なのに、起きないし。疲れてたんですか?」
「………ん、ちょっと」
「あっ、なんか、飲みます?」
こくん、とすばるはうなずいた
「コーヒー、入れましょうか?」
「うん」
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