Red~我流~

14/69
前へ
/201ページ
次へ
昨日の経緯をすばるに代わって優が話し始めた 近くで『安田くん』と飲んでいて、家に帰るのが面倒くさくて、あの沙羅の部屋に行ったのだと 「あっ、僕、買出しに行かなきゃ」 「えっ、それなら私が…」 「いいから、いいから。すばる君も今日はゆっくり出来るの?」 すばるは小さくうなずいた 「じゃぁ、二人でお留守番、よろしくぅ~~」 ひらひらを手を振って、優は無情にも初対面の二人を残して店を出て行ってしまった ふたりはカウンターに二人分の席を空けて座った 沈黙が続く 沙羅は耐えかねて、音楽を流した なんとなく、空気が緩む 「あっ、あの、頭、こぶとか出来てないですか?」 すばるは自分の後頭部をさすってみた 「ちょっと………」 返事をくれたことが嬉しくて、沙羅はどんどん話しかけた 「昨日、すばるさん、ベッドから落ちて、頭、ゴンッて言ってましたよ。なのに、起きないし。疲れてたんですか?」 「………ん、ちょっと」 「あっ、なんか、飲みます?」 こくん、とすばるはうなずいた 「コーヒー、入れましょうか?」 「うん」
/201ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加