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夜も深まり、真上にあった月でさえ傾き掛けていた
すばるはなかなか終わらない撮影にイライラしていた
最近、世界が歪んで見える不安定な自分がいるとすばるはよりイライラしていた
大倉はいち早くイライラしてるすばるに気がついて近寄らないし、丸は逆に気を遣って何かと話し掛けている
メンバーに変な気を遣わせていること自体にもイライラしていた
「酒、飲みたいな」
すばるのポツリとつぶやいた台詞を横は聞き逃さなかった
「すばるがめずらしいなぁ。どないしたん?」
「別に………」
「ふ~ん。まぁえぇけど」
なんやら、よくわからないイラストを書きまくっている安の横にすばるは移動した
安の背中に安心したかのようにすばるは体重を掛けてもたれかかった
安の手が止まる
「………すばるくん、ご飯食べてる?」
「………おん」
「ほんまに?痩せてない?」
安は寄り掛かってきたすばるの軽さにただ驚くばかりだった
なんかなぁ、最近、危ういなぁと安はただ、ただ、心配になった
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