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すばるのイライラも撮影での意外な出来の良さで少し落ち着いた
「あっ、すばるくん!今日はもう直接、帰るの?」
スタジオをいち早く出ようとしていたすばるを安は呼び止めた
「ぉ…いや、寄るとこあんねんけど」
「あっ、そうなんや」
「なんやねん?」
すばるは明らかにシュンとした安を見て微笑んだ
「拗ねんなや」
「べっ、別に拗ねてなんか…。ただ、ご飯、食べに行かん?と思って」
「二人で?」
「あっ、うん」
すばるの『二人で?』の言葉は“今日はみんなともうおりたくない”と言っているように安は感じた
安自身も今夜はすばると二人で話がしたいと思っていたから、他のメンバーは続々と帰っていこうとしていた
「えぇよ。食べ、行こかぁ」
「えっ!?えぇの?なんか約束があったんじゃぁ…」
「っや、今夜中に行けたらでえぇし」
「ほんまに?」
「ほんまやって!ほら、行くでっ」
「うん」
安はスタジオから少し離れた隠れ家的な和風ダイニングの居酒屋にすばるを案内した
個室もあるし、ゆっくり話がしやすいので気に入っていた
すばるもシャインの近場の居酒屋でホッとした
「ここ、なんかえぇなぁ」
「やろ?」
いつもの安のキラキラした笑顔にすばるは少し救われた
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