Red~我流~

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安と他愛のないおしゃべりと食事にすばるは穏やかな気持ちになれた 次に買い物に行く約束も出来た 「安、この後なんかあるん?」 「あっ、明日、午後一で予定あるし、帰って寝るわ」 「………おん。今日はありがとさん」 「何がや?まぁまたゆっくり飲もう」 すばるは小さくうなずいた 安はそんなすばるがなんとなく可愛くて、自分と背丈が変わらないのにすっぽり抱き締めたい衝動にかられた すばるに今にも伸びてしまいそうな腕を押さえて、安は「じゃぁ、おやすみ」とタクシーを捕まえて家路へ向かった すばるは徐々に離れていくタクシーの赤いランプをぼんやりと見えなくなるまで見つめていた 携帯の呼び出しのバイブレーターで我に返る 内からのメールだった なんや?珍しいなぁ 『すばるくん、元気出た?僕も行きたかったよ😣』 最年少の内にまで変な気を使わせてるんやな、俺 大阪の高いビルの隙間から見える夜なのに、変な明るさを保っている空を見上げた 「すばる、さん?」 聞き覚えのある声にすばるはビクッと肩を動かし、声の主を思わず睨んでしまった 「………沙羅」 沙羅は顔を悲しそうに歪めたが、無理に取って付けたような笑顔をした 「……こんばんは」 「………こんばんは…」 居たたまれなくなったのか?すばるは困ったように笑う沙羅を置いて歩きだした 沙羅も慌てて歩きだす すばるの細い肩が小さく上下に揺れるのを沙羅は見つめながら後についた 「あっ、あのぉ、お店に今から行きませんか?」 すばるは足を止めて、振り向いた 「そのつもりやし…」 「あっ、そっか」 すばるは何とも言えない表情をして、沙羅が持っていたコンビニのビニール袋を手にとって、再び歩きだした 「ありがとうございます」 スタスタと足を速めるすばるに後ろから沙羅は一生懸命、追い越さないように、でも離れすぎないように歩幅を合わせた 無言のまま、シャインに向かうエレベーターの中 「なぁ、敬語、止めん?名前も呼び捨てでえぇし」 「けど…」 「呼び捨てがえぇねん」 「………じゃ、じゃぁ………すばる…?」 「なんで疑問系やねん?」 すばるが沙羅の目を見て、優しく微笑んだ
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