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すばるは喉が焼けないようにとカクテルを飲み続けた
沙羅も同じものを飲み続けた
すばるの予想以上に早いペースに沙羅はやっとのことでついていったが、さすがに途中で断念した
優の作るカクテルが予想以上に飲み口が良すぎた
沙羅の視界がフワフワしていた
なんか、すごく心地がいいな
目を閉じるとそのまま睡魔に教われ沙羅は寝てしまった
「あぁ、寝ちゃった」
「よぉ俺のペースについてこれたなぁ」
「ふふ。だってカクテルを作ったのは僕だよ」
優特有の妖しい笑みを浮かべる
「俺はその笑顔に騙されへんぞ」
サッと優の顔から笑みが消える
「可愛いでしょ、沙羅。いじめたくならない?」
「………」
「沙羅のこと、気に入ったんでしょ?いいわよ、したいようにして」
「お前………沙羅は優のもん、ちゃうねんぞ」
「ふぅん、そんな顔で睨まないでよ。まぁ、いいわ。部屋に運ぶの手伝って」
「おん」
すばるは優が嫌いじゃなかった
光のない瞳と見た目には不似合いなオネエ言葉が妙な組み合わせで優に興味があった
だから、近づいた
だけど、すばるは他人に深く立ち入らせる気はさらさらなし、だから、逆もないはずなのに沙羅は立ち入りたくなった
沙羅の目の輝きのなさを知っているから
毎日のように見ている自分に似ているから
沙羅をお姫様抱っこで運びだす優の後ろでアシストするようにすばるはついていった
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