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「ちょっとすばる、扉、開けてくれる?」
「おっ、おん」
鍵を開けて、扉を開くと、あまりにもシンプルな部屋だったのだとすばるは驚いた
前、この部屋に来た時は誰もいないものだと思っていたから、物がない状態を普通だと思っていたが………
すばるは沙羅をベッドに寝かしつける優を見つめた
「沙羅はいつからおるんやっけ?」
沙羅の髪を優しく撫でると、優はすばるに近づきすばるの顔を両手で覆った
164センチのすばるを見下ろす182センチの優
二人のシルエットはまるで今にも唇を重ねるかのようだった
「自分で聞きなさいよ、そんなこと」
すばるの大きな目が優を不安そうに見つめる
「変な意味じゃないの。そうやって知りたいことは自分で聞きなさいよ。本当に人嫌いなんだから」
「………」
優の手がすばるの肩に移動すると、そのままドンッと押された
あまりにも突然のことで、すばるはそのまま沙羅が寝ているベッドに倒れる
「まさっ!お前っ!」
「今日はここでもう休んだら?かなり飲んだでしょ?」
優はわざとすばるのカクテルを強めに作っていた
すばるはキッと優を睨んだが、一度寝転んでしまうと、起き上がる気力を失ってしまった
「そのベッド、キングサイズだし。別にいいんじゃない?明日、オフなんでしょ?」
「おん」
すばる体が布団の柔らかさを愛しんで、睡魔が襲ってきた
「あとでベッドの横に水、ペットボトル置いといてあげるから」
すばるは何だか腑に落ちないのに、眠気があまりにも酷くて、靴を脱ぎ捨てて沙羅の横に入り込んだ
長い睫毛やなぁ
すばるの手が沙羅の髪を優しく撫でる
扉の閉じる音が小さく聞こえた
同時に、すばるも目を閉じた
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