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なんだか、心地の良い夢を見た
あぁ、喉が渇いた
沙羅はぼんやりと頭に少し不思議な重みを感じながら目を開けた
この重みを沙羅は知っている
沙羅の体に刻み込まれている重み
だけど、今は思い出せていない
ん?
ぼんやりとした頭と視界に何らかのシルエットが浮かぶ
ん?
とにかく起き上がろうと、沙羅は上体を起こそうした
すると同時に手がズルズルと頭から体に滑り落ちるとベッドにポトリと落ちる
えっ?何っ!?
驚いて体を起こすと、後頭部が殴られたように悲鳴を上げて酷く傷んだ
沙羅は頭を抱えた
「な、に?この痛み………」
俗に言う二日酔いの痛みなど沙羅は知らない
あまりの痛さに目が覚める
「………んっ………」
沙羅はハッとベッドにいる物体を確認した
「なんで?」
なんですばるが隣にいるの?
思い出そうにも、沙羅の記憶はシャインのカウンターですばると同じカクテルを飲んでいたところまで
沙羅は隣で眠るすばるを見つめた
すばるは寒いのか?ぶるっと震えたので、布団をかけてあげて、ベッドから出ようとすると、何かで服を摘まれていた
ん?と見るとすばるの腕に光る腕時計に服から飛び出した糸が絡まっていた
「もうっ」と沙羅は小さい声で文句を言いながら、糸をひっちぎった
ベッドから出ると水が置いてあったので、床に座り込み、とにかく飲んだ
「痛た………」
思わずこめかみを押さえる
何なのよ、この痛み
沙羅は目の端に、もう1本の水の下にメモが置かれているのに気付いた
手を伸ばそうとしたその時
「うをっ!!漏れるっ!」
「なっ!?」
振り向くとすばるが起き上がって、トイレに慌てて入っていった
何が起こってるの??
沙羅はトイレの扉が開くの待っているかのように、じっと睨んだ
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