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「すっきりしたぁ」
すばるの幸せそうな顔に沙羅の肩から力が抜けた
自分を見つめる視線にすばるは気が付き、はっと言う顔をした
「そんなに見つめんなや」
「見つめてなんかっ」と反発しようとしたが、あまりの頭痛に沙羅は言葉を発することが危ぶまれた
「おはようさん。よぉ寝れたか?ってか、今、何時やっ!?うをっ!まだお昼前やん。まだ寝れるなぁ」
すばるはブツブツと独り言を言いながら、沙羅の隣に座った
「水、もらってえぇか?」
沙羅はすばるのあまりにも優しい目に泣きそうになる
なんか、雰囲気が違う
沙羅は今までの自分に対する態度が全然違うすばるに戸惑った
すばるも自身で気付いていない
沙羅を内側に受け入れたことを………
あまりにも内側にいる人間に対しての空気が違うので、沙羅が困惑してもおかしくはないくらいの変化だった
すばるは美味しそうに水を飲んだ
ゴクゴクと喉を鳴らして
沙羅はそんなすばるを見つめていた
「おっ?なんや、これ?」
すばるはペットボトルの下に置いてあった紙切れを詰まみ上げた
ガサガサと紙を広げる
すばるはさっと中を読み、沙羅に、んっ、と紙を渡した
【沙羅へ
今日は休みです
二日酔いはどう?
薬は机のうえにあります
今日はゆっくりしてください
優】
沙羅は自分の頭痛が二日酔いなのだとやっと認識できた
「沙羅?」
ニュッとすばるが沙羅の顔を覗き込んできた
ち、近いからっ!!
「なぁ、もうちょっと寝えへん?」
「あっ、うん。そうだね」
ぼんやりとする頭で他になんて答えられただろうか?
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