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沙羅はすばるが出て行ってから、数分、ベッドに寝転んだままでいた
起き上がると部屋で一人きりでいることが急に怖くなった
沙羅は声を出して泣いた
すばるの声があまりにも優しかったから
なんで、あんなに優しいの?
起きててもそんな風に声をかけてくれた?
すばる………
沙羅は起き上がり、パーカーを軽く羽織って部屋を出た
まだ、すばるが近くにいるような気がして部屋を飛び出した
ドアを閉めて、エレベーターを待っている間、片足で床をトントンと踏み続けた
あっ!携帯…
携帯をとりに部屋に戻るとベッドでかすかに携帯が光っていた
沙羅はあわてて携帯を開く
すばるからメールが来ていた
件名:
『よお寝てたから、帰る』
もう、近くにはいないの?
沙羅の目には涙が浮かぶ
誰でもいいんじゃない、すばるに今、隣にいて欲しい
沙羅は自分の気持ちに気がつく
本当は怖くて、心の奥底に鍵をかけて沈めた感情
すばる
…すばる
沙羅は床に力なく座り込む
沙羅の目から涙は止まらない
声を出して
ありったけの声を出して泣き叫ぶ
「どないしたんやっ!?」
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