Red~我流~

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「すばるくん、ここ、どうしたん?」 大倉の触れた背中の掻き傷がピリッと痛んで、すばるは細い肩を小さく震わせた 振り返ると、何もかも見透かしたように大倉はやんわりと微笑んでいた 何で大倉やねん?なんや、恥ずかしいやんかっ!まだ丸とか安とかに言われたほうがマシやった、とすばるは感じた 「べっ、べっ、べっ………うっさいっ!」 「っ!?」 すばるは自分の予想以上に出た声の大きさにびっくりした 大倉もすばるの真っ赤に染まった顔と声の大きさに驚き、ばつが悪そうに顔を哀しそうに歪ませた 「あっ、やっ、あの、壁に引っかいてん」 「そうなんや………赤くなってる………」 「おっ、おん………ちょぉ触られて痛いから、びっくらこいて」 「ははっ!こいた?」 「おん」 「消毒はしたん?」 「一応………」 「ふ~ん」 「なんや?どないしたん?」 二人の組み合わせが珍しいのか?はたまた、微妙な空気が流れていたのか?村上が話の間に入り込む 「なんもないよ?」 「ゴリラには関係ないわ」 「おいっ!すばるっ!ゴリラはひどすぎるでっ」 「あはは、はは」 大倉は二人のやりとりに笑い、すばるもニヤッと笑った 遠くから他のメンバーも三人の様子をチラチラ眺めていた すばるが少し、やわらかくなったなと感じながら
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