Red~我流~

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ガシャンっとガラスの砕ける音が店内に響いた はっと我に返った沙羅は、またやってしまった………と床に飛び散ったキラキラとしたその欠片を見つめながらため息を吐いた すばるが昨日、珍しく電話を掛けてきた 電話特有の、『沙羅』と名を囁く声がくすぐったくて………同時に沙羅の心を強く押しつぶした 偽りの仮面がゴロッと剥がれ落ちそうになる 「いたっ」 指の傷から滴り落ちる赤い血をぼんやりと見つめる 痛い 痛イ イタイ どこが? 「沙羅?」 優の声にハッとする 「すぐに片付けます!すみません」 優の手がポンっと沙羅の頭を優しく撫でた 「落ち着いて。大丈夫だから」 沙羅は意外な優の言葉にキョトンとした 「沙羅、顔色悪いよ。さぁ、手を洗って消毒して。絆創膏の場所、知ってるよね?」 「………はい」 「ここは僕が片付けるから」 「ありがとうございます」と沙羅はトイレの奥のスタッフルームに急いだ 「仕事中に何してるんだろう………馬鹿っ………真耶の馬鹿っ」
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