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「最近、どないな感じ?」
やたらと自分に甘えてくるすばるに安は問う
「何がや?」
背中合わせに体重を乗せるすばるの表情は見えない
「何がって言うか………全体的に?」
安は逆にすばるの背中に体重をかけた
「………ぼちぼちちゃう?」
「ふ~ん」
交互に体重を掛け合う二人の奇妙な動きを内と錦戸は優しく見つめていた
「あぁっ!!俺のプリンがないっ!」
そんなほのぼのとした空気を壊すかのように雛が叫ぶ
雛の目にはゴミ箱に捨てられた自分の胃袋に入るはずのプリンの空容器
「たつぅっ!!お前やろっ!?」
突然、名前を呼ばれた大倉は驚き、つかんでいた海老天を落としてしまった
「………あっ、あぁっ!」
雛の怒りの表情などに大倉は目もくれず、ひたすら床に落ちた海老天を涙目で見つめる
「たつぅっ!聞いとるんかぁっ!?」
茫然とする大倉に雛は歩み寄り肩をつかんだ
「お前やろっ!俺の楽しみにしてたプリン食うたの!」
「ちゃいますよっ!僕、ちゃいますっ!何でもかんでも僕が食べるとか思わんといてください!」
珍しく雛に食い掛かり、さらにはギッと強く睨む大倉を見て雛は素直に謝った
「僕の海老天………」
「うっ………すまん、大倉」
「どうしてくれるんですかぁ………」
なんだか微妙な雰囲気の二人を見てすばるの一言
「しょうもなっ」
しぶやん、それはちょっと………と安は心の中で呟いた
錦戸は何かを思い出したかのように、はっとした表情をした
横と丸はというと、楽屋から離れたトイレやら衣裳室にいた
犯人は丸ちゃんだということは、後々わかること
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