Red~我流~

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コンサートも無事に終わり、メンバーが各々リラックスをしたり、テンションが高かったりと楽屋は異様な雰囲気に包まれていた 「今日こそは飲みに行こうや」 髪を乾かしてぼんやりとしているすばるに、シャワーを浴びて、さっぱりとした横が話し掛けた 「………」 返答のないすばるに、これはあかんわ、と横は髪をグシャグシャと掻き毟った 最近のすばるは穏やかになった。なったけど、なんや、危ういねん。プツリと何かが切れそうや……… 横はその足でシャインを訪れた 優に話を聞いてほしくて… 「すばるくん、どないしはったん?」 いつまでもぼんやりとしているすばるが心配になり、丸は話し掛ける 「………」 「あつ、今日でラストやし、疲れてるんですか?疲れたときは日本酒風呂がいぃですよ」 「………酔いそうやん」 すばるの虚ろな目が丸に焦点を合わす その目に丸はやっと肩の緊張が抜けた 「すばるくんなら、酔いませんよ。それより、お腹空いてませんか?ご飯でも行きませんか?」 「腹は減ってへん」 「そうですかぁ」 「おん…すまんな」 「また、行きましょう」 「………おん」 みんな、すばるを見つめていた 歌を歌う毎に艶やかに、そして繊細になるすばるの変化を
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