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「なぁ、優くんっ!すばる、最近、来てんの?」
「ん?うち?」
「他にどこのことやねんっ!?」
「ん~、ボチボチ?」
なんで、はぐらかすんやろう?この人は。掴めへん
「まぁ、えぇわ。ってか、今日、バイトは?」
「あっ、沙羅?」
「サラちゃん、やっけ?」
「覚えてないの?」
「興味ない」
「あっ、そう。じゃぁ、別にいてもいなくてもいいじゃん」
「そうやけど……ネタフリやん」
横は自分のペースに会話を持っていけないことに苛立ちながら、けど、なんとか主導権を握りたくて優と言葉を交わす
「沙羅はねぇ~、どうしたんだろうねぇ」
「何やねん、それっ」
ガチャっと扉が開く音と同時に横は開いた扉を眺めた
「ただ今帰りました。あっ、いらっしゃいませ」
横に少しハニカミながら沙羅は会釈をした
目が合うと横は恥ずかしくて視線を外し、ぺこっと軽く頭を下げた
「買い出しに行ってただけやん」
「へっ!何?」
優は横の声が聞こえないフリをして、とぼけた
「何もないわ」
少しぴりぴりとした横を沙羅は苦手に感じた
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