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対面にいるお客さんとの接客中に視線を感じて、沙羅はカウンターの隅に座る横を見た
目が合うと、フッとわかりやすく視線を外された
何?何なの?
怒りと恐怖を沙羅は感じた
横の視線を沙羅は値踏るような、もしくは憎むような視線だと感じた
沙羅は自分に向けられる、欲望の視線と憎悪の視線を感じやすく、さらにそうではない視線をそう感じてしまう節があった
実際の横はというと、素直に沙羅の観察をしていた
どんな子がすばるの心を和らげたのか、と
ただ、シャイボーイ横山裕は人となかなか目が合わせられないだけだった
沙羅の誤解も酔った横の発言でかき消された
「なぁなぁ沙羅ちゃん。すばるってどうなん?」
閉店前のシャインに一人残った横
目の前で、と言ってもカウンター越しではあるが片付けをしている沙羅に横がニッコリとアイドルスマイルを添えて問う
もちろん、目はバッチリ合っている
キラキラした笑顔に沙羅は目を細めた
「どうって………何がですか?」
「ん~、何やろうなぁ?沙羅ちゃんから見て、すばるってどうなん?」
なんて答えたらよいのか、沙羅が頭をフル回転させていると優が間に入ってきた
「あれぇ?横山くん。沙羅と仲良くなったの?」
「おん。めっちゃ仲良ぇよ。なっ」
「えっ!?」
沙羅の早すぎる答えに横はしゅんとして、口を尖らせた
「沙羅ちゃんは俺のこと、嫌いなん?」
「やっ、そんなことは…」
「沙羅、横山くんのこと、苦手じゃない?」
優の言葉にギクッと沙羅は曖昧な表情をした
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