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舗装された車道にAMを運ぶ為の専用車両が走っていた。
藍よりは黒に近い色をしたAM…現在の最新鋭機GS-O8型、その胴体部分に寝転がる人物が呟く。
「…――ったく、なんでわざわざ本部まで戻らなきゃならないかね」
「そりゃ、分隊対抗戦があるからでしょ」
その呟きに即答をしたのは塗装された迷彩色の汎用AM-EN-J3型のコクピットでカタカタとパソコンを動かす男。
「ウルセェ、カゲヒト。んな事分かってる、いちいち本部に戻るのが面倒なんだよっ!」
返された男は初めから理解している事を言われ眉を寄せ苛立った声で返す。
「あのねぇ、隊長。防衛拠点じゃ狭いんだから仕方無いでしょ?……それにいいじゃない奥さんに会えるんだし?」
指を動かすのを止めて少し呆れた様子で溜め息を吐くカゲヒトと呼ばれた青年、ニヤニヤと笑いを浮かべからかう調子で問掛ける。
隊長と呼ばれた男は小さくフンッと鼻で息出し、軽く装甲叩き金属音を鳴らす。
「狭いったって1対1やるだけなら十分だろ。別コイツ動かしゃ何時でも会いに行ける」
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