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ア「で?募金とは詰まる所どう言う意味ですか?」
ノ「恵まれない僕に優しい方々がお金をくれる事です」
ア「真面目に答えないとぶっ飛ばしますよ?」
ノ「………え、えと。
じゃあ今から実演して見せますから、ここで見てて下さい」
そう言い残すと、ノワールは都合良く近くを通り掛かった見知らぬ女性に近付いて行った。
ア(何をする気でしょう?)
ア「あ。ぶつかった」
ノワールは女性と衝突。
しかし、ノワールだけが豪快に尻餅を付いた。
ア「あー…。ノワール痛そうですねぇ。
女の人は女の人で凄く慌ててますし」
尻餅を付いたノワールに慌てて手を差し延べる女性。
しかし、ノワールは手を取ろうとはせず、女性を見上げながら何か言っている。
ア「あれ?何か様子が……」
二人は何か話している様だが、遠くて会話が聞こえて来ない。
いや、それよりも……。
ア「何で顔を赤くしているんですか…!」
女性の顔が見る見る内に赤く染まり、気の所為か彼女の周りにハートの幻が見える。
それから数分後、女性と別れたノワールは何食わぬ顔で戻って来た。
ノ「あんな感じです!」
手に握られた札を自慢げに見せる。
ア「……色々ツッコミたい所ですけど、まぁ今は良いです。
ところで、何か話している様でしたけど、何を話していたんですか?」
ジト目でノワールを睨む様に見つめるアリシエからは、何か殺気めいたモノが感じられた。
ノ「病弱な母親の薬を買うために急いでいてぶつかってしまった的な会話」
ア「それだけで、お金をくれるんですか…?」
ノ「手持ちの小銭をわざとバラまいた後、高い薬代をさりげなく聴けばOKです!」
グッと親指を立てる。
ア「………じゃああの時、女の人の顔が赤くなったのは何でですか?」
ノ「あれは……って、あれ?アリシエさん。か、顔が怖いですよ……」
ア「答えないともっと怖くなると思いますよ?」
ノ「…じ、じゃあ。
アリシエさんに実演しますね」
ア「え?」
ノ「いきますよ~」
ア「ちょっ!まっ…!」
…………………。
ノ「てな感じです♪」
ア「……////」
ノ「あれ?アリシエさーん?」
ア「……////」
ノ「ア リ シ エ さーん?」
ア「……////」
ノ「…ダメですね」
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