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「まだ、生きてたんですね」
「馬鹿にするなよ。それより、誰か死んだやつはいるか?」
「椎原先輩は確認できました」
少し考えるようにして、彼は言う。
「そうか…。もうあと四人なんだな」
耳を疑った。
もう一人、誰か死んでいる?
「誰が、死んだんですか?」
「木村だ。元ボクサーの」
もう、四人しか居ないのか。犯罪者、警察官、ボディガード、そして学生
明らかに僕だけ不利な気がした。
「お前は一番弱そうだからな。協力してやるよ」
「え? 誰とも協力しないんじゃ…」
「助けてやるって言ってんだ。素直に受け入れろよ」
僕の言葉を遮って、彼は言う。
この男と一緒に、これからの行動を共にするのか。
「そうだ、このゲーム、実は賭けなんですよ。僕らの中で誰が生き残るかを賭けているんです」
男は何も言わなかった。ただ、黙々と先を歩いていく。
その背中は無言ながらして、付いて来い、と言っていた。僕は少し駆け足で彼の元へ向かう。
すでに二人死んだ。しかし、まだゲームは始まったばかりなのである。
-END-
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