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レンズの中心には、×印が付いていた。
「これは、『受けのコンタクト』。
もう一つ『攻めのコンタクト』と言うのがあるんですけど、攻めのコンタクトをつけた人間と、受けのコンタクトをつけた人間の目が合うと…」
男は手に持っていた『受けのコンタクト』地にを落とし、目を向ける。
『受けのコンタクト』は音を立てて爆発した。半径十五センチくらいの爆発をし、辺りの草を少し燃やした。
男は燃えた草を靴で踏んで消す。
「このように爆発します。えー、ちなみに、これはこのように草に隠しても」
男はもう一つ持っていた受けのコンタクトを落とし、草で隠す。
男が目を向けると、またも音を立てて爆発をする。
「爆発します。要するに、目を瞑ったりしても無駄です」
「それを、俺らに付けろって言うのか?」
元プロボクサーが言う。
「そうです。まぁ、コンタクトのことも分かったところで、ルール説明を始めますね。ここはこの森の中でも最も深くに位置します。ここを中心として半径三キロメートルの円が、ロープで作られています。それが、このかくれんぼの範囲です。その範囲を抜けると、コンタクトは自動で爆発するので気をつけてください。攻めのコンタクトをつけるのは、私と私の仲間達です。仲間達から三日逃げると、あなた達は解放されます」
「ああ、言い忘れてましたけど、コンタクトは無理やりはずそうとしないで下さいね。それでも爆発しますから」
男は笑みを浮かべる。
そして僕達は『受けのコンタクト』を渡された。これをつけて、三日も逃げ切れと云うのか。なんとも無理な話である。
「じゃあ、始めましょうか。三日後、ここで」
そういうと男は地に、どこから出したとも分からぬ、赤い旗の付いた木の棒を突き刺した。
そして、この場を後にしようとする。
「待ってください。一つだけいいですか?」
「はい?」
「あなたは、いや、あなた達は何故僕らを選んだのですか?」
先輩が怯えながらも聞く。
「まぁ、考えてみてください。お互いの顔でも見つめて」
そして僕達の前から男は消えた。
しかし、数秒もせぬ間に、またしても彼はやってきた。
-END-
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