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チャイムの音が聞こえる。
僕はちょうど、今日の最終授業終了のチャイムに起こされた。
僕は目をこすり、立ち上がる。
何か夢を見ていたような気がするが、何も思い出せなかった。
教室に入ると、少数の人間しか居なかった。僕は机から教科書や参考書を取り出し、机の横にかかっているリュックにそれを入れていく。
まだ意識がはっきりせず、何の教科書を手にしているかなどがはっきり判らなかった。教科書の色で、これは数学だ、これは科学だ、と判断し、適当に積み重ねるように入れる。
ある程度の教科書を置き勉し、僕はリュックを背負う。
すぐに校門へ向かった。
「悪い、待たせたか?」
すでに杉原はそこに居て、MDウォークマンを聞いていた。少し大きめのヘッドホンから、ノリの良い曲がシャカシャカと音漏れしていた。
きっと 聞こえていないのだろうと思い、もう一度同じ台詞を言った。
今度は彼の肩を叩きながら。
「悪い、待たせたか?」
彼はヘッドホンを取り、
「ごめん、聞こえてなかった。さ、行くか」
僕は彼と他愛もない話をしながらボーリング場へ向かった。
そして二時間ほどボーリングをした。
「じゃあな、また明日」
「おう」
僕は彼と別れるといそいそと家に帰った。
-END-
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