∞はじまりの歌∞

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  私はフェンスの向こうから戻ると、ただ泣き続けました。 彼は私の隣りに座ってギターの調弦をしています。 「出してまえ… ため込んで来たもん全部… 重かったやろ…」 彼はそう言って私の頭をなでてくれました。 真っ暗で冷たくて、寂しくて寒い世界。 腐った人間しかいない… 私は今までずっとそう思っていました。 そんな闇の世界にもこんな人がいるんだ… 私は彼に会って、初めて温いという言葉の意味を理解しました。  
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