偶然×運命

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憧れの秀東高校の校門の前に立つ。 受験の日に、一度入ったことはあるけれど、あの時とは違う。 私は今日からここの学生として、この校門をくぐるのだ。 「何をしてるの?早く行くわよ。」 「…うん。」 グッと足に力を入れ、校門をくぐった。 緊張で、手に汗をかいてるのがわかる。 「…羅奈ちゃん!」 私を呼ぶ声がして、振り返る。 「加奈子ちゃん!」 「あら、加奈子ちゃん。おはよう! 上野さーん!おはようございまーす。」 この子は、上野加奈子ちゃん。 中学校からの親友で、吹奏楽のトランペット担当。 親どうしも、すごく仲が良い。
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