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『カバンが飛ばされた?』
ダルダはフン、と鼻で笑った。
『相変わらずドジな奴だな。
まぁいい、とにかく、配達の仕事だ。』
ダルダはそう言うと、ラウに先ほど握っていた封筒を渡した。
ラウは封筒を見つめる。
《グランディス通り223番地
2月28日》
『宛名がないですね』
ラウは顔をしかめた。
ダルダは首をすくめ、うなずく。
『そうだ。全く、最近の奴は手紙もろくに書けないらしい。
…まぁとにかく、この宛先に届けてくれ。』
ダルダはため息をつくと、セイユの所へ歩いていってしまった。
ラウはまた、封筒に視線を戻した。
差出人の住所もない。
『…イヤな手紙だなぁ』
ラウは呟く。
そこで、裏に書いてある文字に気付いた。
《ハッピーバースディ》
…バースデーカードなのかな。
ラウは思った。
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