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※雲骸
「キスしてください」
唐突に言われた言葉に僕は紙上にあった目を骸にむけた。
骸は滅多に自分から誘いの言葉を口にしないのに。
「何、いきなり」
「良いから、キスしてください」
早く早くとせがむ君に、チュッと一つ、キスを落としてやった。
「足りません」
なのに骸はもっともっととねだってきかない。
「もっともっととろけるような、甘い甘いキスを下さい」
両手を広げて僕を誘う。
「………キス、で止まらなくなるんだけど。」
「構いません」
絡み付いてくる腕の誘惑に抗えなくて、僕はやりかけの仕事の山を全部放り投げて、骸をソファーに沈める。
「どうなったってしらないからね」
僕がそういうと骸はクフフと可愛く笑って
「いっぱい愛してくださいね」
なんて言うものだから。
その日一日裸で過ごす羽目になった。
【可愛い君に、甘い甘いキスを。】
(どうしてあんなことを?)
(だって三日も構ってもらえなくて寂しかったんです!!)
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