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「僕に抱かれるの嫌ですか?」
捨てられた犬見たいに寂しそうな目で骸が見るから雲雀は怯み、言葉に詰まってしまった。
「嫌じゃない…けど…僕は鳴かされるより鳴かせる方が好きだ」
「僕だってそうです」
「鳴いたことないくせに。」
批難がましくみてやれば、苦笑する骸がやっぱり愛しく思えて。恋愛は先に惚れた方が負けだと言う言葉が脳裏を過ぎった。
「みてなよ、そのうち声を枯れさせてあげるから。」
「クフフフ…楽しみにしてますよ。それよりもう一回しましょう…?雲雀君が足りないんです。」
「君が下になってくれるのかい?」
「まさか…」
クスクス笑いあいベットに沈み込みながら、甘い甘いキスを交わす。
出会ったころは分からなかったけれど、この数カ月で沢山分かった事がある。
君は美しくて。(でもそれは同時に壊れやすくて)
気高くて。
自信に満ちていた。(精一杯の強がりをみせる)
世界に絶望していて。(助けが欲しくて)
目的には手段を問わなくて。(なのに最後の爪は甘くて)
人に冷たい印象をうけた。(傷つきたくないから壁を作ってる)
虚勢を顔中に貼付けて
僕だけを見て僕に好かれる事だけを考えて
頑張る君があまりにも面白かったから
諦める気は毛頭ないけど少しの間だけならこのままでいてあげるのも悪くはないと、そう思った。
Fin...
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