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あれから――
日本に帰ってきて約2年半。私は一人で暮らしているような生活を強いられたのを覚えている。
それは父さんが前よりも働くようになったから。
勤務時間を過ぎても働くようになったから。
だけど私は文句なんて言わなかったし、だだを捏ねたり泣いたりはしなかった。
私は理由を分かってる。知ってる。理解してる。
父さんは母さんを失った悲しさや寂しさを紛らわすために今までよりずっと……何倍も働いているんだ。と
例え"カロウ"でぶっ倒れても、私が死にそうでも、世界が明日終わると言われても父さんは働くのを止めないだろう。
父さんからしてみれば、母さんを失った悲しみは"チキュウメツボウ"や"ウチュウセンソウ"なんかとは比べ物にならないくらい大きいものだったから。
私は、そう思う。
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